おゆきの日々

 秋田・八幡平の山懐で:                         

折々の日誌 ドライヴ、うらうら盛岡へ


 2018.3.8

 昨日も最近数日おきにやっと来るようになった
予報が快晴の日。
この日を逃すとその後はまた雨か雪のマークの日々が続く。こんな大事な日を逃す手はない、
とばかり久々にドライヴへ出かけた。
肝心な行く先が決まっていないまま走り出したけれど、これは私たちのいつものことだ。
とにかく冬季は
田沢湖~秋田方面への道路は閉鎖中だから、どこへ行くにしても八幡平長峰の
R282とR341の分かれの所までまずは行かなければならない。そこが、さてどちらへ向かって
行こうかと考える分岐点になる。

 今回はやっぱり海が見たくなって盛岡方面へ出てR106で宮古迄行ってみよう、となった。
その先の海岸線を上るか下るかは行ってから決めよう、ということになって走り出した。
道中の晴れた日の雪の山々は見応えがある。


安比スキー場


西根辺りからの岩手山

 途中トイレタイムや買い物などで時間がかかり、宮古へ向かう
R106上の物産館「てんぐの里」
ですでに12時半を回っていた。
遅くなってしまった昼食を
ここの駐車場とることにし、車内で持参したお弁当を食べた。
あり合わせの物をちょちょっと工夫して入れているだけのお弁当だけれど、
夫はこのお弁当が好
きで、
出かける日は弁当を食べること自体が嬉しいようだ。実は私もだが。

 昼食後物産館の中をのぞいたら
驚くほど大きなギンナンが売られていて、そのそばには試食用
に塩茹でしたものが置かれていた。
1粒摘まんで、美味しかった~!私はギンナンには目がなくてついつい、そして1パック100円の
ものを購入した。
私があんまり美味しそうに摘まんでいたものだから、それを見て100円の買った量の倍もガバガ
バと
袋に入れて下さり、塩茹での物もどうぞもっと持ってってといっぱい頂いてしまった。

   
      右が通常の大きさのギンナン

女性店長のような方が、高い銀杏の木の上を切り詰め丈を短くし、枝を横に伸ばすように栽培し
てこんなふうに大きく作っているんですよ、と教えて下さった。
 へえ~そんな栽培法もあるん
だ~と私は大いに感心した。
リンゴの木も放っておけば本来真っすぐ高く伸びるものだと、昔黒石のリンゴ試験場の木を見て
これがリンゴッ!と驚いたことがあった。
今のリンゴ樹はみな上を詰められ横に広げ
管理し易いようにされてきたものだから、植物も大変
だなと思ってしまう。
大変だけれど私たちの口に美味しく入るよう、
携わる人々の知恵と工夫が延々と続けられてきた
歴史にも感動してしまい、人間のエゴにも複雑な思いが。ギンナンよお前もか」だったとは!

 と、気が付けばすでに1時過ぎ、そこから2時間かけて宮古迄行ってもタッチして戻るだけ、ど
うする?と言う訳で盛岡に戻ってうらうらするか~と相成った。

古い町家づくりの建物があり、今頃なら古い雛人形でも飾られているかも知れないから行ってみ
よう
、と昨年辺りに初めて知って気に入った町、鉈町(なたまち)へ向かった。
行ってみると
雛人形展は旧暦の4月に行われるとのことでちょっと残念。
でもそこは小さな通りながら、旧街道筋の町家づくりの建物がまだ何件か保存されていて、その
雰囲気をうまく活かした作りの「町家めぐり物産館」も建てられている。
そこの手作りコーナーには充実した作品が多く置かれているのが気に入っているし、他の土産品
も土地柄を活かした
なかなかいい物が揃っているのでゆっくりと見学。

物産館のあとはうらうらと町歩き。
街中の手作りお惣菜がズラーっと並ぶ庶民的なスーパーを覗いたり、素敵なカフェを覗いたり、
清水湧き出る井戸端を見学したり。そこのすぐそばの大慈寺には平民宰相「原敬」が祀られてい
るのを思い出し、いつも国道沿いに標識だけは見ていたのでお参りしてみることにした。

説明には「東京で暗殺されたあとに公開された彼の遺書によると、冒頭には「死去の際、位階勲
などの将叙は、予の絶対に好まざる所なれば、死去せば即刻発表すべし」「墓標には位階級等を記
さず単に〔原敬之墓〕と銘記する事」だったそうで、遺言通りにりんと静かに建墓されていた。
ご夫婦で並んだ墓は気持ちの良い雰囲気だった。
 

 
寺の境内には大きな木があり、その下にはおびただしい実の残骸が重なり落ちて層になってい
た。その中から大きな松ぼっくりを発見。よく見るとそばにはバラのような形の枯れた実がいっ
ぱいあり、あとはそれがすでに分解された物が殆どだった。
こういう物を見つけると私は必死になって拾い始めるのが癖、この時も形の良い物を選んで腰を
かがめて歩き回った。
 帰宅後調べたら「ヒマラヤ杉」と判明。これが↓今日の収穫物

 

   
    
ビックリ巨大な松ぼっくり!           「シダーローズ」

杉と呼ばれているけれど松科に属し、松ぼっくりの先端はバラ状に残り「シダーローズ」と呼ば
れて花材にされているらしい。
出会いの時期がちょっと遅すぎた感はあったけれど、雪に濡れて
黒ずんでしまっていてもなるほどいい味を出していた。
帰宅後持ち帰ったビニール袋を開いたら、プ~ンと松のいい香りがした。

 とうとう海にはたどり着けなかった。結局何ということもない地味な一日だったけれど、あて
もなく歩く楽しさ、思いがけず出会う面白さを味わうことが出来て、2人にとっては大いに満足
できたドライヴの一日となった。

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