【折々の日誌】 春の色、日本の色
2018.5.15
近くの村の田にはいよいよ水がはられ、鹿角の里ではリンゴの花盛りとなった。
そして小舎の周辺もあっという間に様々な緑にもっこりと包まれてしまった。
野山を包む緑は、簡単に緑と言っているけれど一体どれ程の種類の青色が含まれているの
だろう?
幹や枝、葉の形、その厚みなどにもより緑色はみな微妙に違い、その数は何種類にも及ぶ。
古(いにしえ)の日本人は繊細な美の心で、周囲の物をよく見た通りにその色の一つ一つに名前
を付けている。
例えば萌葱(もえぎ)色、草色、苔色、鴇(とき)色、松葉色、鶯色、、、それは、ただの「緑」
というより心にしみこんでくる。
私はこの冬から春にかけてかなりじっくりと樹木を眺めてみた。新芽が出、若葉が出、その
葉が開いていく様子を見ていると、徐々に遠目からでも樹形や木の緑を見ればあれは〇〇の樹、
と大体は判るようになってきた。
ナナカマドやブナの萌葱(もえぎ)色、柳の新芽の鴇(とき)色、杉の深緑、また名前ははっきり
判らなくとも、似通って並んだ2種類の緑色の違いで別の樹だと判断出来るようになってきた。
真夏になれば何もかもがただの鬱蒼とした緑になってしまうので、様々な緑が折り重なった今
の時期は、山を見るとそこにどんな木々が生えているか、おおよそながら判るので面白い。
そんな緑の濃淡が野山の景色に奥行を与えてくれ、刻々と変わっていく景色を毎朝窓から眺
めるのが楽しくてしようがない。
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さて先週の12(土)は5月山菜の日の初日で、予想を上回っておいでいただきありがたかった。
5/12(土)山菜の日
今週19(土)は2回目、メインの山菜パーティーの日。これも予約でいっぱいに。
第1回目が終わるとすぐから次の山菜採りに励み、その準備に勤しむ日々。
そして26(土)は山菜の日の最終日、これまた予約であふれありがたい悲鳴。こんなことは滅多
にない位のゆきの小舎。
山菜採りは楽しいけれど、最近はクマ出没ニュースも多く、2人共必ず鈴と笛を身に付けて
しっかり用心しながらの野山歩きとなっている。
そして毎日の山菜の処理で爪も真っ黒、きれいになる暇がないけれど、これもまた山に住む者
のネールアートと考えればいっか!?
今、現在小舎の周りは春の色、本当に本当に素晴らしい季節の中にある。