おゆきの日々

 秋田・八幡平の山懐で:


 

【折々の日誌】この夏、2人のポーランド青年


2018.8.23

 開所43周年記念日の翌12日、いつもこの日は玄米シーフード野菜カレーの日と決決めてある。
大体この日は沢山食べる男性軍が多い。この日も毎年小舎のカレーを楽しみに来てくれる仲間
のために沢山作っておいた。
今年はそこに小舎としては珍しく、本当に久しぶりの外人さんが2人加わった。
(20~30年前までの夏は、連日欧米からの外人さんが途切れることがなかった)
日本人の青年と一緒で、3人共初めての方なのでどの位食べるか、まして外人さんだとカレーが
大丈夫なのかどうかさえ皆目見当がつかなかったので、とに角沢山作っておいたのだ。

食事が始まるとあっという間にいつもの仲間たちがお変わり、お変わりと次々に平らげていく。
外人さんも同様にお変わりにやってきて、皿にご飯をいっぱい盛ってカレーをどっさりかけてい
く。あんなに盛って大丈夫だろうか?
「そんなに全部食べられる?」と聞けば「大丈夫!」と、ちゃんと意味が解っていての返事。
結局鍋いっぱいに作っておいたカレーはほぼ完食!
外人さんも話に熱中しながらも美味しい美味しいと、器用にきれいに平らげてくれた。

 外人さんは2人共ポーランド人の青年で、その2人共がこちらが舌を巻く程日本語が実に達者な
青年だった。話好きで何でも日本のことをよく知っている。
3年間母国で日本語を勉強し、日本に来てからは2年と言っていたけれど、たったそれだけであれ
程上手くなれるものか、みんなで驚き感心してしまった。

 日本は完全な島国なので日本語だけで充分用を果たせたのだろう。国境に接して他国と繋がる
多くの諸外国は、必然的に他国の言葉を覚えなければ生きていけない状況も多かったことだろう。
外国の人は母国語の他に必ず何か国語か話す人が多く、語学の学び方のコツのようなものを身体
で習得しているのではないかと私には思える。

 青年は21歳のドミニク君25歳のマテウシ君。2人共色白ですこぶるハンサム、今風に言えば
イケメンで、ついうっとり見とれてしまいそう(ヤバ!)。
ドミニク君が話す日本語は流暢でもあり、また日本の漢字、ひらがな、カタカナ、と何でもござ
れで恐れ入ること。更に漢字の意味もかなり深いところまで勉強している。
神社、仏閣、特に神道に強く関心を持っているようだった。
最近はわざわざ日本にまでくるような人だからこそ、なのか神道に興味を持っている人が多い。
「今の日本の若い人で『天照』を何と読むか知らない人がいて驚いた」と言われてしまった。

 日本に来る外人さんに自分の名前に漢字を当てて欲しいと言われることがよくあるし、言われ
る前に外人さんとみると漢字を当ててあげる人はよくいる。
ドミニク君にも日本に来た時同様なことがやはりあったようだ。
でも彼は当てて貰った漢字がどうもしっくりこなくて自分で一生懸命考えたそうだ。
「それで、どんな字にしたの?」答えは「努神仁久」
「神をよくと読むなんて知っていたわね!」それこそ今の若い人の中には読めない人もいるに
違いないのに、とこれまた感心の至り!「ウン、いい字ねえ!」と恐れ入った。

 マテウシ君にはまだ漢字がないということだったので、それではと私が僭越ながら勝手に当て
てみた。「麻手宇思」どうでしょう?
は今後世界を救うと言われている植物の麻、は神の手、人の手の手、は壮大な宇宙の宇、
は意思、思いを伝える思いを込める、の思を当てて大きく出てみたけれど、これが大いに気に
入って貰えた。2人にはそれぞれ半紙に書いてあげたら、いい記念になったと喜ばれた。



漢字を当てる作業は相手の方にも喜んで貰え、こちらとしてもとても楽しいことだ。
これは外人さんと簡単に楽しく交流するための一つの方法だとも言える。

 ポーランドと言う国は今の私達には余り馴染みがないと思っていた。
けれど色々話していくと、キュリー夫人やショパンを輩出した国であることや、「森へいきま
しょう」他、日本でもよく歌われている民謡があることも判ったり、知らないと思っていただ
けで、感心さえ持てば案外身近に感じられてくるものだと思った。

 この日は全員が話好きの人ばかりだったので、大いに盛り上がった(盛り上がりすぎ?)のは
言うまでもなかった。

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