おゆきの日々

 秋田・八幡平の山懐で:


折々の日誌】 今、生け花は菊づくし


2018.11.18

 八幡平にもいよいよ冬到来か、急に寒さも深まってきた。
先程運動のためにと、ホンのちょっと家の前の道を上りながら歩いてきた。手袋をしていった
けれど帰る頃にはカジカンでしまった。
白くフワフワとなった無数の穂が枯草の斜面に並び、まっすぐに立っている。たまに吹く風に
揺れているそんなススキの枯れ姿もなかなか風情があっていいものだ。
地面は様々な落ち葉に覆われて、そこここの隅に固まっていたり、、、、こんな風景もそろそ
ろ見納めとなりそうな今日この頃。

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 先日6日に今期営業を終えてからせっせと庭や畑、建物などの片付け整理と越冬準備に追われ
てきた。それもそろそろ終わりに近ずき、あとは玄関の冬用外扉を取付けるのみとなった。
玄関の階段上から、すでに静まり返ったこの谷の枯れた景色を見渡せば、草々や木々は杉の緑
を除けば全てが茶色の濃淡の世界。

 その中の庭の一隅にそれとは少し異なった色彩
 がチラチラと目に入る。よく見れば菊の花々。
 我が家ではこの一年の花々の、本当に最後の最
 後に咲く花がこの菊
である。

 菊の花は昔10月に咲くものという思いでいたけ
 れど、どうも我が家の菊の花は至っておくての
 ようだ。
 織りん娘会が終わり、営業が終わり、越冬準備を
 し始め、もう誰も見てくれる人も居なくなった頃
 にやっと咲き出す。
 こんな時期にいっぱい咲いてもしょうがないのに、
 と思うけれど。

 



この谷間は他の場所より暖かいのか寒いのか、
さっぱり判らない。国道に出ればよその庭では
とうに菊の花は盛りでも、我が家の物は大分遅
れて11月も半ば過ぎ。
街に下りて公孫樹の木が真っ黄色に紅葉してい
ても、我が家の公孫樹はまだ緑、真っ黄色にな
るのはやはり11月の中近く。
国道沿いの家の庭に春の花が咲き始めても、我
が家はそれから1週間も遅くなって、なかなか春
の訪れを感じられない。
全体に遅くずれこんでいるのではないかと思う
けれど、突然に雪が降って終わりになってしま
うこともあるので油断が出来ない。だからやっ
ぱりこの谷間は他の場所より暖かいのか寒いの
か、未だにさっぱり判らない。




 一昨日年々増えて広がり咲いた沢山の菊の花を
 摘み終えて庭を整理した。
 そして生花のなくなったこの時期、目いっぱい
 これでもか、と部屋のあちこちに生けてみたら、
 シンと静まり返った2人だけの住まいが明るく
 華やいだ。
 私たち以外は滅多に人の目に触れることはない
 のに、律儀に咲いてくれるこの花は、静かで穏
 やかな秋の終わりの季節にぴったりだと思った。

                               
                          

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