おゆきの日々

 今どきこれって贅沢かもしれない?そんな何気な~い生活の日々、 そして常識と非常識の逆転もあり?の日々

癌から復活物語 >その12 様々な癌患者


12〔様々な癌患者〕

水断食を終え帰宅するまでの数日間にも、様々な癌患者の方達とお会いすることになりました。
これも運だと思いますが、協会組織の中央の部屋にいられたお陰です。

3週間のマッサージを待つ間、顔ぶれも次々と変わっていきました。
滞在期間を終えて退院されていく方は、経過良好になって退院の方もあれば、疑心暗鬼のまま中途半端な状態で退院の方もまれにありました。そういう方はどこまでいっても迷い続けるのではないかと思えました。
また新たに入ってこられる方、元入所者で上京の折にマッサージだけ受けに来られる方、経過報告とその後の処方を尋ねにこられる方、見学下見の方もありという具合で、そのような方達から実に多くの症例を見せて貰い、話を聞かせて貰うことが出来ました。

もし病院にいたままであったら、こんな経験は決して出来なかっただろうと思います。
マッサージを受けるために横になっている方の患部なども、失礼ながら遠慮もなしに除かせて貰いました。お互い様でしたのでやれることでした。
「ホラホラ、ここ触ってごらん」と先生に言われゴメンネと言ってその方の胸のしこりを触らせて貰い、大きさの実感を知ることもありました。

腹水がたまりお腹が異様に膨らんでいた方は、ここで断食をしてもあと半年位だろうと言われていました。病には病気と病体とがあり、病気は心(気)の持ち方で治るが、病体は身体が完全に病んでしまったことなので、寿命を受け入れなければならないこともある、と教えられました。

病院で癌患者が最期を迎える時の苦しみは、傍で看ている人も耐えられない程であり、それが常識だとさえ言われそこから癌は怖いもの、と人々の頭に刷り込まれてしまっています。
しかし断食をしていた人は、全く苦しみを感じることなく安らかに最期を迎えられるようで、それが救いになるそうです。後年その方はやはり穏やかに亡くなったことを知りました。

マッサージだけを受けにこられていた女性は、かつて「上顎癌」(じょうがくがん=上あご)を患った方でした。
手術をすれば顔の上部半分は切り取られ、ぺしゃんとしたタテの短い顔になってしまいます。
私は昔東京でそのような方を1度だけお見かけしたことがあります。正直不思議なお顔に驚き、あまりにお気の毒で胸が痛みました。
それは女性としたら心底辛いことでしょう、何とか手術をしないで済む方法はないものかと必死で探した結果、縁あってここにたどり着いたという方でした。

ミルク断食、水断食を終え、最初のミルクを飲んだ時、口からドロッとした汚物が流れ出たそうです。それは鼻の後ろの上あごの癌細胞が剥がれ落ちた物で、それで治ってしまったのだそうです! ただ鼻の後ろに穴が開いてしまい、話す時は空気が漏れてちょっと聞き取りずらいことはありますが、聞く耳を持って聞けば充分に聞ける範囲です。
その体験談をお聞きしてお顔を眺めた時は、外観は健康な顔面そのものなので感動してしまい、手術を選ばない決断をされた勇気にも思わず拍手をしてしまいました。

お金は幾らかかってもいいから、先生何とか治してください!と泣き付いてこられた方も、若い若い妻のために何が何でも生きなければ、と真っ黒い死相が現れているような顔色をされたご老人も、看護婦をしている娘さんがもう病院には怖くておいておけないから、とお母さんを連れてこられた方も、本当に様々な人間模様を目の当たりにしてきた3週間でした。

13〔何故治るのか〕につづく


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