おゆきの日々

 今どきこれって贅沢かもしれない?そんな何気な~い生活の日々、 そして常識と非常識の逆転もあり?の日々 


癌から復活物語 >その8 粉ミルク断食


8〔粉ミルク断食〕

この治療法は加藤清先生(故人)が長い試行錯誤の末にたどり着かれたもので、食事制限をしながら自然治癒力を引き出すというものです。

普段の生活を営みながら出来る方法として、全く食を断つのではなく半分絶つ、そこに腸が弱っている人でも可能な粉ミルクを溶いて飲む、という方法に繋がったようです。
この療法は現代医学で常識とされる骨髄造血説とは異なり、血液は腸で作られる、という学会では異端児扱いされている千島博士の学説に裏付けられることになります。

◎栄養分が調合された赤ちゃん用粉ミルクには2種類の物があります。

①号食 0才~1才用は成人には吸収されにくい成分が入っているので、その作用で大人が飲むと 便通がよくなるのだそうです。(下痢気味に)
②号食 1才~3才用が毎日の基本ですが、癌患者は便秘症の人が多いため、便秘が続く場合は、 排便を促す目的で①を飲むように指導を受けました。

缶入り粉ミルクは森永、明治と数社から出されていましたが、どれでもよく、私達は明治の物を使っていました。

この2種類の粉ミルクの内から、その日の体調を診て貰いながら①号か②号どちらかを飲みます。けれどこの粉ミルクが癌を治してくれる訳ではありません。
ホンのわずかな栄養分しか含まない粉ミルク食を続けていくことで、一種のゆるい断食状態になります。粉ミルク断食は半断食と言え、この間に人間本来が持ち合わせている自然治癒力を高めていくというものです。

水だけの断食は効果も早そうですが、体質により、殊に手術直後など弱っている身体にはデトックス(俳毒)などで負担が大き過ぎることもあり、その点半断食は誰にでも優しく取り組み易いものと思われます。しかし効果はゆっくりなのでその分取り組みも長期間を要します。

滞在中はこの粉ミルク食の他、午前と午後に全身のマッサージを受けます。癌患者は特に全身の血行が悪く毒素が滞っているので、全身をほぐし血液の流れをよくすることが目的です。
家に帰っても続けられるよう、親族が必ず1人ついてきて、このマッサージを習っていくことが大切な条件でした。

マッサージが終わった後は必ず散歩へいくこと、これも運動で身体を活性化させるためです。
マンションは8階にあり、外への出口は2階まで下りねばなりません。
そこは大きな食堂街になっており、歩く両側からいい匂いが漂ってきて、ここを抜けるのもまた苦行の道!でした。

歩いていると向こうからも顔見知りのお2人に出会います。互いに常にお腹はぺこぺこフラフラ、ヨロヨロ状態です。笑いながら「美味しそうな匂いですねエ」と言って別れます。

マッサージを待っている間は大型テレビが点いていて、何故か大概料理番組の大画面が映っており、「元気になったら何が食べたいですか?」そんな会話が中心になっています。それ程みんなお腹が空いていますし、また治ると信じて早く美味しいものが食べたくてたまらないのです。

この治療室では3週間1巡りとなっており、体調が落ち着いてきて帰宅間近になると、本当の水だけの断食を行います。
各々の体調を見ながら、1週間、5日間、3日間となりますが、私は自信がなかったので中3日ほどのスケジュールになりました。入って、出るまでを入れると全体では5日間位です。

夫も挑戦しましたが、彼は水だけの1週間を無事成し遂げました!拍手です!

9〔水断食〕につづく



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