おゆきの日々

 今どきこれって贅沢かもしれない?そんな何気な~い生活の日々、 そして常識と非常識の逆転もあり?の日々

癌から復活物語 >その9 水断食


9〔水断食〕

滞在2週目位になると、体調を見て水断食の計画を立て始めます。
その頃健康体であった時の体重47k(これは高校生の時から殆んど変わっていませんでした)が、手術後は43k程まで落ちていました。
これ位まで落ちたことはなかったので、最初の頃はやはり身体に力が入らず、何となくふらつき気味でした。

私は子供の頃からずっと便秘がちの体質でした。常にお腹はパンパンで苦しかったものの、そんな体質に慣れてしまっており、1週間~10日程排便がなくてもこれが当たり前になっていた位です。これは異常なことのようでしたが、気にもしていませんでした。
癌体質の人の殆んどは頑固な便秘症に悩んでいたようです。便秘が続けば血の流れが悪くなり毒素も溜まり続け、それが体中に悪さを引き起こすことになります。そこで癌治療の基本としては便秘解消から、血液の流れを良くする事に始まります。

治療室へ来て2週間目辺りには、さすがに頑固だった私の便秘も和らいで、たまに2、3日は出ない日があってもその後はまた順調に出るように変わっていました。
それまでの物はやっと出たものでも色は大体黒っぽく、ポロポロ状の堅い便が殆んどでしたが、今までに見たこともないような、バナナ状の黄色の便が出た時にはこれぞ理想の便!と言われ大喜び!これは本当に驚く程の変化でした。
食べたら出す、この正しい繰り返しのお陰で体調も大分回復し、落ち着いてきていました。

そこで滞在期間と合わせながら日程を組み、いよいよ水だけの断食に入ることにしました。
計画では5日間位はできるだろう、と思って始めました。
1日に水1200ccを何回かに分けて飲むのですが、私は元々、生水を飲むのが苦手でした。

うちに来られたお客様からはいつも美味しい水ですね、と言われている我が家の井戸の水でさえ、なかなか生では飲めない私です。3度の食事がその生水、治療室では当然美味しく安全な水を用意してくれてはいるのですが、只でさえ飲みにくい生水が、断食の時は味もそっけもなく余計にまずく感じられてしまいます。
ホントに美味しくないのです!それを無理やり飲まなければと思うと、辛いものがありました。
この時まではいつもミルク好き、生卵好き、バナナ好き、お菓子なくても平気!などとのんきで何も苦にならなかった私でしたが、さすがに少々めげました。

水だけだとカロリーがないので身体も温まらず冷えていきます。5月の東京と言えども身体がヒヤ~っとしていい気分ではありません。
1日に何回かに分けて飲みますが、自然に3度の食事の時間帯になり、結局朝昼晩となりました。「戴きま~す」、と言ってコップ1敗の水を飲む、これが水断食の日の一回の食事です。あゝ!

10〔水断食入る〕につづく



↑ PAGE TOP

癌から復活物語 >その9 水断食