おゆきの日々

 今どきこれって贅沢かもしれない?そんな何気な~い生活の日々、 そして常識と非常識の逆転もあり?の日々

昔の八幡平・YH >ゆきの小舎ー2


2011/01/18 Tue 23:41

・その5 ゆきの小舎ー2
初年度の営業は秋まででしたが、雪の中にも来てみたい!の大勢のリクエストに応え、2年目の冬から年末年始のみの営業を開始しました。

初めての冬営業、私に雪道の運転は無理なので車は他所で預かって貰い、足はバスです。
12/25日頃から仲間(お客さん)が到着し始め、正月料理の材料買出しにはみんなでバスで花輪の市日へ出かけました。 暮れの市は今とは違い、芋洗いのごとくの大混雑をしていました。

20人を超す大人数×1週間分の材料を買い付け、その量たるや膨大、それを皆に振り分けて持って貰いました。
リュックに背負い、風呂敷に包み肩からかけ、両手にも持ちました。大きな風呂敷包みを運び屋さんのように背負った人も居て、各人各様誰も人目なんか気にしていられません。
互いのスタイルを指差しては大笑いしながらの帰りのバスも、当時はギューギューのすし詰め状態でした。

バスを降りればその先の1.5km程先に1件のみ、まだ住んでいらした開拓の最後の方の家まで簡単な除雪はされていました。
小舎へはバス停から200m程行った所から左に折れ、あと200mは除雪もありませんでしたから、みんな自力でラッセルして戻りました。
重い荷物を背負いそれは大変でしたが、誰一人文句を言う人もなく、何もかもが楽しい!の一言で片付いてしまいました。

水は秋小舎を閉めると同時に井戸ポンプの電源を抜き、沢水を利用出来る様ゲジさんが準備しておいてくれました。目の前をきれいな小川が深い雪の下で流れていました。
秋の内にその小川に太いホースを入れ、遥か上流の方まで足していき、先端に数個の穴を開け落ち葉やゴミが入らないよう網で包んでおきました。
手前の先端を、当時作ってあった自炊場の窓から直の流し場に引き込み、小川の落差を利用した出しっぱなしの自家水道ができ、とても美味しい水でありがたかったものです。

私はただ流しているだけでは使い勝手ももったいないと考え、水桶を3つ高さを違えて並べ、きれいな順に使えるように設置してみました。すると使い心地は上々になりました。
台所の下処理はそこで済ませ、料理用の水はそこから厨房へ運び幾分汲み置きしておきました。

朝の洗顔は食事の支度とかちあって混むので外!
雪原から位置の見当をつけて小川を掘り出し、やっとあけた穴に階段を付け、下りた穴底に流れる小川には簡単な板を渡して橋とし、そこを屋外雪中洗面所としました。

ダイヤモンドダストの舞い散る凍てついた空気、歯に染みる冷たい水、その代償として快晴の白銀の世界を心行くまで楽しんで貰いました。(・・・つもり?)
雪原の上からは立って歯を磨いている人の顔だけ見えて、まるで晒し首だね、と又大笑いした事もありました。

その小川は今も一見清らかに流れてはいますが、周囲には沢山の別荘が立ち並び、もう昔のように美味しい水では無くなっていることでしょう。

〔ゆきの小舎ー3〕につづく

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