おゆきの日々

 秋田・八幡平の山懐で:                        

折々の日誌 雪の中にマンサクの花


 2018.4.8

  こちらは昨日も今日も雪、舞い散るように降ったり、バサバサ降ったり、一瞬にして地面は
真っ白になる。真っ白になったかと思うとまたすぐ解けて、春の雪は慌ただしい。
気温も春になったと喜んでいたので、身体は殊の外の寒さを感じてしまう。
雪はまだ畑に50~70㎝、建物の後ろなんてまだ相当の高さが残っている。例年にない雪解けの
遅さとなっている。

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 さて昨日、元湯さんとゆきの
小舎それぞれの方向を示す矢印
をつけた標識を、
旧道との分岐
地点に
設置し直してきた。

雪に埋もれてしまっていたけれ
ど、ちょっと顔を出したら壊れ
ていたので、急いで作り替えて
立て直してきた。


 夫が雪をどけ穴を掘って支柱を埋める準備をしている間、私は近くをブラブラしていた。
上を見上げれば木々の芽吹きはもう少し先の物が殆どだった。
そんな中、裸の
蔓や幹の間に気を付けてみないと見過ごしてしまいそうな地味で小さな色が目に
入った。

「ウッ?もしや?」果たしてそれはマンサク
の花
だった。(万作)
花には雌蕊雄蕊の外側に赤い額があり、その
周囲をヒラヒラと黄色く細い紐状のものが取
り囲んでいて、本当に小さいし、目立たない
花である。
この地方のマンサクは、周囲がまだとっぷり
と雪に埋もれていても、雪のなくなっている
部分に先駆けて咲く、一見弱そうに見えて実
は雪の中にいの一番に花開く強い花である。




優しい花姿に勇気づけられる気がして、毎年この花を見つけるとやっと本格的な春がやってくる
のだなあ、と感慨深く嬉しくなる。

花の位置を確認していると夫に呼ばれ、標識の支柱を押さえる手伝いを頼まれ無事新しい標識を
立て終えた。

その後マンサクの花を少し手折って
持ち帰り、窓辺に生けたら陽の光を
受けてそこだけ春がやってきたよう
になった。

雪の中で咲く、やっぱり不思議な形
の春一番の花である。

                              


今日のおまけ】ー
 
その① キクラゲ
マンサクを手折っている時、ふと足元を見た
ら雪の上に落ちていた枝に
キクラゲが付いて
いた
のを発見!
それですぐその上を見上げたらまだ幹に付い
ていたのも見つけた。ヤッタ~!
それはナナカマドの枯れ木のようだった。
今夜の2人分の汁の実には充分!
早速取って帰ったのは言うまでもない。





その② タムシバの冬芽
これは
マンサクを持って帰り、その足でカエデ
の樹のその後の様子を見に行った時のこと。
そのそばにあったフワフワの衣をまとった冬芽
タムシバが目に付いた。とても愛らしい!
この辺に咲いていた
花の時を覚えていたので、
すぐに判った。
コブシとそっくりだけれど、こちらの方が匂
いがずっといい。
花は酢の物にしても、ちょっと癖はあるけれ
ど美味しく食べられる。




花は桜より早く咲くから、この辺りの桜はこれを見るとまだ
少し先になりそうだと教えられる。
まだ枯れ木の山の中に真っ白に咲き誇るタムシバの群落はそれは見事で、桜満開も好きだけれど、
タムシバ満開もまた捨てがたいものである。


その③ 第2回目のカエデ採取樹液 
前回の採取から3日後見に行ったらまた凡そ
2.7ℓ×2本分
も取れた。
2本の樹の内1本のはすでに溢れていて、随分
流れ出てしまっていたみたいで勿体なかった!
まだまだと2~3日見に行かないと、溜まる時
は突然増えるのでマメに見に行かなければ。


                          




    

その量は1回目より多かったので今度は大鍋で1日かけて約5分の1に煮詰め、そこで止めたのが
右側の状態のジュース。
2.7ℓ×2本分 が → 500ml×1.5本分 に。
このジュースが実に美味しい!
グラスの透明の液は採取したままのカエデ原液色はこのように変化していた。

時々刻々と春に近づいているこの頃である。

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