おゆきの日々

 秋 田・八幡平の山懐で:




【折々 の日誌】   旧 セーターをほどいてマフラーを織る


 2019.12.4

 今日は夫に前々から頼まれていたマフラーを織った話。
気に入った新しい毛糸が充分量なかったので、思い立って古いセーターをほどいて使うことに
した。虫食いだったり伸びてしまったりで今は殆んど着なくなってしまったセーター。
今時こんなことをしなくても安くていい物沢山あるのに、って言われそうな作業。
最近古いセーターを解いたことってありますか?
解いて使うなんてこと自体知らない人が今はいるかも知れない。
そこで昔人間の私は早速ほどき始め、順を追って説明を。
(以下は誰も手伝ってくれる人がいなくて一人でする場合)

・こんなセーター、これは他の物だけれど、こんな風に各部位に解いて分けていく。
 


 


・解いた毛糸は手近の椅子に巻き付けながら束ねて何ヶ所か糸でくくっておく
・ある程度の量になったら椅子からはずし、解いたままだと編み癖がついていてチリチリなので、編み癖を伸ばすため一度サッと振り洗いして干す(蒸 気にかざしても出来るが洗う方が楽


 


・乾いたら再び椅子に束を戻し、手に玉巻にする(この作業、椅子ではなく手に、昔よく母に手伝わされた、夫がいる時は夫に頼む!)




 
・夫が作ってくれた織機に糸を張る時の道具(これで行うと毛糸が転がらなくて作業が楽)







こうしてしっかり経糸を張り終わって・・・・織り始める。そして完成

左の青色が今回夫用に織ったマフラー、 右は以前に織ったお気に入りの自分用マフラー

 ・夫の母が息子たちのために老年になってからもせっせとセーターを編んでくれていた。
そんなものの中から選んだ1枚。
目が飛んでいたり、撚った1本の糸の間に針を通してしまってあったり、と途中で何回も引っか
かってスムーズには解きにくかった。
けれど、後年目が悪くなっていたのに可愛い息子のためにと編んでくれていた一針一針だった
のだろうと思うと、今は亡き義母の姿が懐かしく思いだされる作業となった。
私と結婚してからも編んでくれていて、「素人の編んだのなんかイクオもユキさんも着てくれ
ないだろうけど」と言いながら渡してくれた。
夫も私も「着るよ~」と言いながらいつも喜んで貰って着ていたもので、古くなってもそれを
私は捨てられず皆とってあった。
  
 久しぶりに一着のセーターを前にした時はちょっと面倒なこと始めたかな?と思ったけれど、
始めてしまったら案外簡単にできてしまった。
こんな風に古い物を蘇えさせる作業はやってみると案外楽しいし、今ある物を活かせたと思う
と何だか豊かな気分にもなってきた。
確かに今時こんなこと、と思われるかもしれないけれど、物の溢れ返っているこんな時代だか
らこそ一つ一つの物を大切にする心を今一度取り戻してもいいかなって思えてきた。

  外はすでにたっぷりの雪、暖かな薪ストーブの脇でのこんな時間は贅沢って言われそうだ。
でもこれも働き盛りの若者にはきっとまどろっこしいことかも知れないし、私には年相応の
丁度いい作業なのかも知れないと思った次第。

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