おゆきの日々

 今どきこれって贅沢かもしれない?そんな何気な~い生活の日々、 そして常識と非常識の逆転もあり?の日々

織りん娘会>台所実験室ー緑色を染める


織りをする内、糸や布も自然の物で染めたくなり、みんな草木染にも関心を持つようになって昨年秋の親睦旅行は「高崎の草木染植物園」をメインに選んだ。
自然の草木から布に染められた素晴らしい色の数々にうっとりと興奮しまくっての帰宅。
中でも草木染なのに草や木からは緑色が染まらない、と長い間言われて来たという話には驚かされた。
その間緑色は青色に黄色を重ねて染めていたのだそうだ。
緑は銅媒染で出す事が殆どだが科学染料では簡単に出来、プロは発色がいい硫酸銅を使う事が多いようだが、これは危険物なので一般家庭では使わない方がいい。
それがごく最近になって草木染の大家山崎氏により緑色染めが発見され、植物園館内には見事な緑色に染め上げられた作品が展示されていた。

その時貰ってきた「若葉による緑色染」というパンフレットには染色行程が示され、鮮やかな緑色に染まった糸の写真に心奪われて、緑色が大好きな私は以来緑染めのことが頭から離れない。

小舎では昨年夏、初の草木染ワークショップを開き、お初に使う植物に「赤蘇」を選び媒染剤はアルミと鉄の2種類で染めてみた。これがなかなか好評で今年もまた、ということになった。
さて今年の植物は何にしよう?という時にやはり無謀にも緑色が頭をチラついたのはいうまでもない。

初めての草木、緑染め。求めていたいい緑色を染め出すことができた!順を追ってご報告。

(7/10)
待ちきれず絹のスカーフを染めてみた。 笹の葉を使って、、、見事に失敗!
アルカリ水の所でまずつまずいてしまった。
石灰がまだ完全に溶け出していなかったようだし、酢を加えてもリトマス試験紙がなかったので、phを中性にできたかどうかが解らない?
布は染液で煮ても色が殆ど変わらず、と言うより何となくねずみ色っぽく濁って見えるのは完全に溶けていないねずみ石灰のくもった色のせいだったのか?

銅媒染剤もどきの方は、たった一日で凄い緑青の青色が出てきたが、これもまだ早すぎるかも知れない。(実にいい色だが!) 。
今も盛んに泡が出て銅が溶け出し青い水化している。 もう少し日を置けばもっと強く出そうで、何とか使い物にはなりそうだが、、、?

まずは最初のアルカリ水の問題を解決する方がどうも先決のように思えた。
そこで今度は木灰(薪ストーブでとって置いた灰)を目の細かいふるいにかけてお湯で溶き、濃い目の灰汁を作り 2~3日置いてみることにした。
そしてちゃんと量った方が良さそうなのでリトマス試験紙を買ってくることにした。

(7/14)
私のやる事は全て大雑把だが、今回は小舎の周囲に沢山ある葛の葉を使い、今度はリトマス試験紙を用意した。
きれいに澄んだ灰汁の上澄み液に試験紙を浸してみると青い。当たり前だがアルカリだったと思うと何だかほっとした。
適量取り分けたアルカリ水に細かく刻んだいっぱいの葛の
葉を入れ、20分位熱煎後染液をとる。これを2回程行い葉の黄色成分を先に取り除き、これは緑
染めには使わない。
同様にして3回目にとった液に普段調味料に使っている米酢を少しずつ加え、その都度試験紙で確かめていくと、紙は白になり、少しピンク色になってきた。色の判断はもの凄く微妙で、エイっと感に頼るしかない。リトマス試験紙はその程度の物のようだが、用は足りると思う。

白色は中性でph7,0の筈だから少しピンクという事は弱酸性になったと言う事かな?という位のところでそれをもって今回の染液とすることにした。熱した染液に布を入れ20分煮染した後冷めるまで置いた。この段階でもう素晴らしい緑色になってしまった!

普通この後媒染だが、これは無媒染でも染着するとあった上アルミ、錫、クロムの媒染の場合と色合いは殆ど変わらないとあった。
また銅媒染の場合は緑味が濃くなる物が多いが、中には茶味の色になる物もある、とあったので考えてしまった。
手作り中の銅媒染剤も、高炉跡から拾ってきた石に付着した銅の成分に、まだ解らない成分も混ざっているかもしれないと思うと、使うにしてもきちんと調べてからの方が良さそうだと考えた。すでにいい色は出ているし、無媒染でも染着という事ならこのままでいこうッ!と決めた。

色を堅牢にするため再び元の染液で15分煮染した後すぐ水でよくすすぎ、これで最後で干した。

草木染初の緑染め緑染め初作品!
左と中央は同じ絹スカーフ、濃い方は2度染め、写真だとそれ程きれいではないが、実際はもっと柔らかで優しい色

あァいい色、満足~。


文字で書くと面倒臭そうにも思え実際にやって見るまでは私も面倒な気がしていたが、いざやってみるとアレッ?こんな簡単に緑が出てしまっていいの!という感じだった。
材料は工夫次第、全て身の回りから調達できる物ばかり、周りをグルリ豊富な自然に囲まれた小舎は草木染にはピッタリの環境にある。これからもっと気楽に楽しんでいきたい。

尚 この染め方は
・山崎青樹著 続「草木染 染料植物図鑑」を参考にさせて頂いた。


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