お ゆきの日々

     秋 田・八幡平の山懐

折々 の日誌】  山菜野草講座-2

  
2020.5.14

  今年の大型連休はコロナによる外出自粛のあおりを受け、静かな内に過ぎてしまった。
自然界は雪の季節からあれよあれよという間に桜満開に、そして草は一気に伸びすでに新緑が輝き始める世界へと移り変わっている。
ゆきの小舎はこんないい季節の中ではあるけれど、宿の形態がどうしても三密状態になってしまうので、やむなくこのまま休業を延長し、しば らく様子を見ることにしている。


桜吹雪 5/14


熊沢川 5/14

 今度の土曜日は、本来なら特別山菜月間の5月、その第1回目となる日で、今頃は山菜集めに精を出している頃の筈だった。
けれどそれも中止となってしまったので、今は2人で食べる分を採ってくる程度。
山菜採りは何といっても楽しいし、山菜は美味しく食費の節約にもなるしと一石三鳥にもなるので、2人分だけでも採りに行くのは止められな い。
それに次回の時のためにああしたら、こうしたら、と下処理をしながらそれぞれの山菜の活かし方をついつい考えてしまっている。
大勢の参加のイベントともなると一人ではあまり凝った献立はできず、どうしてもオーソドックスなものが主流となってしまうけれど、今は2 人分のみ、実験みたいな感覚であれこれ試して愉しみながら調理している。
今回は
山菜でもこんな食べ方が!と言うものも、簡単に作れて普段の家で楽しめる、美味しいものをご紹介。

ー[おゆきの山菜野草講座]ー

今回の山菜は「アイコ」、「ボ ンナ」「ウド」

「ア イコ」の食べ方(ミヤマイラクサ)


イラクサの名前通り全身が細かい棘で覆われ、ちょっと触っただけでも、チカッ!、痛ッ!と何とも始末が悪い。でも手袋をはめて処理すれば大丈夫、茹でれば何も気にならなくなる。
アクは全くなく
歯触り良く穏やかで、 誰にでも好まれる優しい味の人気者。
下処理は塩を入れた熱湯で1~2分茹で、水にとって
冷まし色止めする。
茎は薄く皮をむく。葉は地元の人は捨ててしまうことが多いけれど、緑がきれいなので捨てずに別に使う。葉のついているところから筋を取るように引くと皮はむき易い。
茎・・・一般的には茹でて
辛子味噌和え、辛子醤油、みそマヨネーズ、汁の実、炒め物の具に。


一 晩辛子味噌に漬け込んだもの

 葉・・・柔らかで癖がなく色もきれいなので茹でて絞った物を様々に活用。
ふ りかけ風漬物」
細かく刻んで同様に細かく刻んだ味噌漬け大根、クルミと混ぜて。しょっぱい味噌漬けが丁度食べ易い味になって実に美味しい。

グ リーンディップ」
 
細かく刻んだ葉、同様の生玉ねぎ、タラコを混ぜ、サラダ油(我が家は白ゴマ油)、味噌少々、マヨネーズで和える。この3種類の具の調和が絶妙!色もきれいで食感も良い。

 
  
こ れをパンに塗ったりパスタや焼うどんに和えたりと重宝する。

③アイコパウダー
茹でて細かく刻んだものをザルに広げて乾燥させる。よく乾いたら手で揉むかすって粉状にする。
瓶に入れ保存し、いつでも使いたいものに振りかける、パンなどに緑色を練りこんだりして使う。
※パセリ、ボンナの葉なども同様に。


「ボ ンナ」の食べ方(ヨ ブスマソウ)


山菜の貴婦人と言われるほど、品のあるかぐわしい香りでアクはない。折ってみてプチっと折れるところから上を使う。太いほど柔らかく味も充実しているが、せいぜい大きい葉の上から3番目位が折りどころ。欲張って長く折るとかたい!
アクもクセもなく、皮をむく必要もないので茹でたらすぐ食べられる。手間がかからずその上香りよく美味しいので、この辺の人たちの大好きな山菜。

下処理は茎、葉共に塩を入れた熱湯でさっと茹でたら水にとって冷 まし色止めする。
これを4~5㎝に切って辛子醤油、胡麻和えなど一般的で最も好まれる。
マ ヨネーズ、みそマヨ、サラダ油をかけて塩をパラパラしただけでも美味しい。サラダ風に合う。

生のまま切って直接炒め物の具に、いかと合わせて炒め、塩コショウしたものが実に美味しい!
油とも相性が良いのでいろいろ工夫して愉しめる。

葉・・・柔らかで 癖がなく色もきれいなのでアイコの葉と同じようにも使える。
・ボンナの葉の包み焼・・・大きい葉を選び、薄く切って塩コショウした魚を包むが、薄いのでピタッとくっつく。このまま フライパンで中火で炒め焼に。オーロラソースが合う。
 
「ウ ド」の食べ方・・・ウ イラブ、ウド!

掘 りたて! 酢味噌和え、生でサラダ用、きんぴらなどに

   
ウ ド味噌、炒め物、揚げ物全般に        天ぷら・素揚げ用

 生でも煮ても焼いても炒めても、更に揚げても・・・捨てるところが全くない、こんなにおいしい山菜は他にない、と言い切る位私達2人はウドが大好き!
生・・・酢味噌和え、サラダの具
茹でて・・・
(太 いものはこの辺の人は茹でてから使う)、酢味噌和え、味噌漬け、汁の実
炒 めて・・・きんぴらなどの佃煮(線に刻んで砂糖、醤油、ごま油で炒め煮、冷凍保存もできる)
      ウド味噌
(どんな細い部分でも皮ごと細かく刻んで味噌、砂糖、みりんか酒で練り炒める)
揚げて・・・衣をつけて天ぷら衣 をつけずに素揚げ(天ぷらだと衣でくどく感じてくるが、素揚げは甘みも感じられさっぱりと幾らでも食べられてしまうので、私たちは天ぷらより好み)。

 今頃なら近くの産直や道の駅でも盛んに山菜が出回っている季節だ。買い物に出られる機会があれば気に入ったものを求め、野山の幸を味わってみる のはいかが。そんな時のご参考までにどうぞ。
もしかして今日は同じ山菜を食べているかしら?などと皆さんとの繋がりを想像したりすると私達も愉しくなってくる。
少しでも速く今の状況が収束し、実際にお会いできる日が来てくれることを祈りながら。
                                              
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