【折々の日誌】サメを食べる文化
2018.8.17
前線の影響で3日間雨、秋田県の当地方も各地これ
までにない雨量で大きな被害が発生しているもようだ。
幸い小舎の前の川は思っていた程水量も増えず大した
ことにはなっていない。
雨は山側より平野部、下の方にかなり降ったのかもし
れない。
台風19号がまた次の行き先を狙っているようだが、
今年の台風8月中に一気に集中しているのではないか、
と思えるほど多い気がする。
また無事に過ぎてくれることを祈るばかり。
この8/11(土)には小舎の開所43周年記念日も無事終わり、お盆も
過ぎてしまった。
世間では夏休みの賑わいもそろそろ一段落、と言ったところではない
だろうか。
当舎もしかり、お客様はいつものようにそれ程多くはなかったけれど、それなりに盛り上がった日が続いていたので今はちょっとのんびりし
ている。
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さて当舎ではお客様にお出しする料理の中に「サメ」を使うことが多い。
当舎はたんぽ会とお雑煮の特別の日以外普段は肉を使わないので、動物性はやはり魚介類が
中心になる。
そんな中でサメは淡白だし、鶏肉とよく間違われてしまうほど魚臭さがまるでないので殊の外
好まれる。鶏肉だと思って食べている方も多く、サメと知って驚かれることが殆どである。
まさかサメを食べさせられるなどと思ってもいないので尚更なのだとは思うけれど。
当地方ではサメを食べる文化が古くからあったようだ。
現在の鹿角市の「鹿角」と言う字は諸説あるけれど、古くは「上津野」と言う字が充てられて
いた時代がある。
かづのは大昔栄えていた日本海側の十三湖(とさのうみ)の港から見れば、遠く隔たった内陸部
である。当時そんな遠く離れた場所のことをカッチといい、かづのはカッチの地方ということ
となる。
そのカッチの地方の「カッチノ」がなまって「カヅノ」となり「上津野」、「鹿角」の字が宛
てられていったとも聞いている。
海からは遠い内陸部に新鮮な魚介類を届けるのは難しいが、サメだけは少々古くなって臭いが
出ても当たらない魚だと言われてきた。
色は黒っぽくなり、臭いはアンモニア臭さがきつくなるけれど保存がきく魚なので、古くから
こんな山奥の土地でも生の魚としてサメが重宝されたのではないかという。
現代では流通が発達し、どんなに遠距離の物でも新鮮な形で届くようになったけれど、その食
べ方はすたれることなく郷土の食品として使われ続け、それこそ様々な料理で食べられている。
♥【サメの食べ方】
・私が一番好きなのは刺身!
これはよっぽど新鮮な物に限り、青森にいた頃に食べたけれど、色はきれいなピンク、骨なし
で柔らかでとろける様な食感だった。少し厚めの切り身がいいが、さすが今でもここいら辺で
は刺身は無理のようだ。
・お吸い物の具に(椎茸やエノキ、春雨、三つ葉か青紫蘇などと)
・竜田揚げ(酒と醤油、おろししょうがに10分程漬け込んでから)
・蒲焼ふうに
・湯引き=片栗粉をまぶしてさっと茹でたものを酢味噌和えに(おろししょうが入り)
これは地元の飲み屋さんでも好まれているらしい
・片栗粉をまぶして(酒と醤油、おろししょうがに10分程漬け込んでから)唐揚げした物を酢豚
の豚肉代わりに
・チンジャオロースの豚肉代わり、その他
※現代なら肉料理の物と相性も良いのと、低カロリーなので肉の代わりに使うといいようだ。
はんぺんの材料も本来はサメだったけれど、今は海外からの安い魚が材料になっているとの
こと、サメ100%のはんぺんは本当に美味しいらしい。食べてみたい!
サメは昔から世界中で食べられてきた魚で、日本でも青森県やここの他に広島のある地方
でも「ワニ」と呼ばれてやはりよく食べられているけれど、他にもきっとあるだろう。
※サメ=ワニとも言われ、ごく一般的に売られているのはおよそ2種類。
・モウカザメ(マフカ)=ネズミザメ・・・小型
・アブラツノザメ=ムキサメ・・・青森より北の海で
割に近海でも捕れるようなので、高い油を使い遠洋に出たり、安いからと輸入の魚に頼ったり
せずサメを食べる文化を守り続けて行けたらいいなあと思っている。
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